azulicat/【アニメ】サマータイムレンダ 感想

Created 2022-12-25 22:24 Modified Sun, 25 Dec 2022 22:24:39 +0900
1276 Words

とても良かった(コナミ)。ループものだと一番面白かったんじゃないだろうか。今年観たアニメだと一二を争う。

構成

2クールという限られた話数で139話ぶんを全部収めたというのがまずすごい。完結した物語しか観たくない主義の自分にとっては、最後までやってくれたのは大変ありがたいです。カットも多少されてるんだろうけど、かなり原作に忠実にやってくれたっぽい。ただ流石に139話→25話は圧縮がすごいので説明が省かれてる部分は多々あり、ただでさえ頭脳系アニメなこともあり理解が追いつかないこともしばしば。

頭脳

登場人物がほぼ全員切れ者なのでストレスなく観られる。主人公陣に心身ともにスペック高めのが揃ってるのにも関わらず敵側がそのさらに上を行っているのがすごい。

緊張感

一番褒めたいのはここ。ループものの一番の課題として、「死んでもやり直せるから緊張感がなくなる」というのがある。そこでサマータイムレンダは死に戻りに「少しずつ開始時刻が遅くなる」という制限を設けた。これがすごい。このおかげで殺される事にも明確なデメリットが生まれ、相当な緊張感が生まれた。作品全体の演出の良質さもあってずっとドキドキしながら観られる。緊張感強すぎて苦しいくらいだった。「大切な人の死が確定した状態ではじまる」という状況は想像するだけで恐ろしく、ある意味ただ死ぬより怖い。

死の描写

前述の要素のおかげで、主人公の死だけでなく周りの死にもある程度緊張感が発生するのだけど、状況だけの問題でなく死の描写の仕方が抜群に巧い。特に南雲先生の死に方は毎回よかった。サマータイムレンダにおける「仲間の死」の役割は絶望感の付与なのだけど、南雲先生の死は毎回残酷かつある種犬死にに近い形で処理されていて、先生自身の魅力やスペックの高さもありかなり良い働きをしていた。「最後の一発」をシールドで防がれて眼球貫かれて死ぬ所とかめちゃくちゃ絶望的だし怖いしで好き。表情が変わらないままずるりと落ちていく所超怖いよね……しかも南雲先生は慎平が毒を持ってることなんて知らなかったから彼女視点だと完全に失敗してるし。

設定の利用

デスノート並に物語の構築と要素の利用が巧い。特に死に戻りの開始時刻を利用してヒルコドウにショートカットするのはIQ114514だと思う。

終わり方

龍騎みたいな事になりましたが、まあ無難な終わり方かなと思う。突くとすれば無難すぎるということくらい。「サマータイムレンダの終わり方を考えて」ってAIに投げたらそのまま帰ってきそうなくらい無難。終盤全体的にやや駆け足気味だった気がするのでそこだけ残念。
他にどう終わってほしかったかというとなんとも答えにくいが、ループもので「無難というにはちょっと攻めたが満足いく終わり」といえば私的には「僕だけがいない街」が浮かぶ。あれの良い所はラスボスをきちんと救済している点。私は悪役含め全員が救済される結末を好むので、今作でいうならシデがその対象であってほしかった。最も何を救済とするかは人によるのだろうけど……。あと影ミオもまともにお別れすら言えなかったし。



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